前のページでGoogleの目まぐるしい進歩について触れたが、ここではもう少し突っ込んだ話をしたいと思う。
テーマがSEOとなってしまうので、興味のない人は飛ばして頂きたい。
学生ローンだけに限った話ではないが、今の時代の顧客を獲得する最大のツールは間違いなくインターネットである。
スマートフォンは誰もが持っており、もはやパソコンの時代は終わったと言っても過言ではない。
実際、ビジネスサイトのアクセスで、70%はスマートフォンからだと言われている。
このようにスマートフォンが爆発的に普及する一方で、サイト運営者の間で頭を悩ます課題が突然降って湧いて出てきた。
Webサイトのスマホ対応化である。
WordPressで構築しているサイトはプラグインをインストールすればとりあえずすむ問題だが、ドリームウェーバーやホームページビルダーなどで作成したHTMLサイトではそうはいかない。
通常はPCサイトとスマホサイト、それにガラケーサイトと、それぞれ別々のサイトを構築する方法が一般的に取り入れられていた。
しかし、Googleはあらゆるデバイスに対応するレスポンシブウェブデザインによるサイト構築を強く進めているのだ。
レスポンシブを強く進める理由は、主に次の2つだ。
一つ目は重複サイトの回避だ。
Googleのアルゴリズムには、パンダと呼ばれる重複コンテンツにペナルティを与える機能が備わっている。
これは、インターネット上の他人の記事をコピーし、別のドメインで運営してリンク元用のページを大量に生成する不当な手法を排除するためのものだ。
あるキーワードでの検索結果が、どれもこれも同じ内容のコンテンツばかりが表示されては、検索ユーザーにとって不快でしかない。
Googleはこのような不正には、常に目を光らせているのだ。
特に消費者金融においては、過剰SEOが跋扈しており、Googleは最も取締を強化するキーワードだ。
消費者金融各社はしのぎを削って上位表示を競い合っており、より過剰にエスカレートしている。
Googleはさらに監視を強め、もはやいたちごっこである。
よって、これらビッグキーワードと呼ばれるキーワード検索は、検索結果TOP10メンバーの入れ替えが激しい。
このような状況では、貸金業者もインターネットのみに依存する事は、リスクもあるし恐怖がつきまとうところだ。
駅前に店舗を構える学生ローンなら看板戦略もあるだろうし、ティッシュを配るなど方法もあろうが、駅から遠い店舗は深刻である。
これまでインターネット1本に頼ってきた業者は命取りともいえる惨状だ。
●SEOの流行に翻弄されるウェブマスターたち
パンダにペンギン・ハミングバードはもとより、従来から存在する謎のアルゴリズム、そして今注目を集めているレスポンシブウェブデザイン、一体何を基準にサイト制作を進めていけば良いのか頭を悩ます人も多いのではないだろうか?
パンダやペンギンなどは以前からあるものなので、ここではレスポンシブ・ウェブデザインについて掘り下げてみたいと思う。
モバイルフレンドリーに対応させるべく、サイトを一から作り直したという人は多いのではないだろうか?
レウポンシブウェブデザインで最も悩まされるのがメニューである。
最近ではボタン式折り畳みメニューが流行っているが、CSSやJavascriotなどの知識がないとなかなか難しいし、折り畳みメニューはよほどうまく作らないと見づらいというデメリットもある。
また、学生ローンなどのECサイトでは、新規用メニューや会員用メニュー等、カテゴリー分類する必要もままあり、折り畳み式メニューでこれを表現するには相当な知識が必要だ。
通常、PCサイトでは左右にメニューを配置するか、もしくは上に配置するかだろう。
これをスマホで見た時に、何も仕掛けをしなければ非常に見づらいしかっこ悪いものとなる。
例えば上か左に配置した場合、スマホ表示では上のメインコンテンツとなる重要な部分をメニューで占めてしまうという事態になる。
これをどうやってスマホに最適化させるか、がレスポンシブを成功させる上で重要なものであり、頭を悩ませる作業となる。
平成27年6月20日現在、学生ローンではほぼ全ての業者がモバイル用サイトを用意しているが、レスポンシブ・ウェブデザインを採用している会社は2社のみである。
フレンド田とカレッヂだが、フレンド田はPCサイトで表示させている画像メニューが、そのまま下の方に表示されてしまい、最大の課題であるメニュー表示が克服されていない。
一方、カレッヂはうまく対応している。
PCサイトでは画面左側に配置されるごく普通の仕様だが、これをスマホで見るとカテゴリ分けされたメニューが上部に配置されている。
カテゴリーは折り畳み式になっており、その中に細かいメニューが仕込まれている仕様だ。
特に注目するべき点は、利息表のページである。
PCでは2つの表が左右に並べて表示されているが、スマホで見ると上下に配置される仕組みとなっている。
画像などではパーセント表示させるなどで対応できるが、横並びの表をレスポンシブ化しているページは初めて見たのである。
●なぜレスポンシブなのか?
Googleではレスポンシブ・ウェブデザインを推奨している。
通常、スマホサイトは別サイトで構築し、トップページのみ.htaccessで振り分ける。
しかし、訪問者の入口はトップページとは限らず、当然サブページからの訪問も多数あるわけだ。
スマホユーザーがサブページからアクセスした場合、スマホ用に最適化されたページではなくPCサイトが表示されてしまい、ユーザービリティとしては芳しくないというのがGoogleの認識のようだ。
だからといって全ページに.htaccessを設定するのも問題である。
サーバーに負担をかけるし、このような大それた事をやった事がないので、SEO的な不安が大きい。
そこで、Googleはどのページから訪問されようが、最適化されたページが表示されるようサイトの設計を求めているのだ。
●検索結果への影響
肝心の検索結果はどうだろか?
さきほどのフレンド田は、モバイルフレンドリーが騒がれる前からレスポンシブに対応していた。
しかし、「学生ローン」での検索結果は11位か12位が長い間指定席となっている。
安定して2ページ目だ。
一方のカレッヂは、4位から6位で安定している。
特にレスポンシブ対応後、順位が大きく上がったという事はない。
これからまだどうなるかわからないが、モバイルフレンドリーの影響はほとんどないように見える。
これからどうなっていくのかわからないが、推移を見守っていきたいと思う日々である。